肺がんとは
日本では、年間におよそ5万人の患者さんが肺がんで命を落としています。男女別に見ると男性が女性の3倍近い死亡数となっており、これには男性の喫煙率の高さが反映されているとされています。1998年の段階で、肺がんは胃がんを超えてもっとも多くの方が死亡するガンになってしまいました。現在でも増加傾向にあり、改善される兆しは見られません。
症状としては、咳や胸痛、息苦しさ、呼吸困難、血痰が代表的ですが、進行するまでは目立った兆候が見られないことが多く、気付いても風邪や他の病気と考えて病院に行かずに済ませてしまうことも多く見られます。
こうした無関心が、肺がんの発見を遅らせ、死亡率を高めてしまう原因の一つになっていると言えるでしょう。しかし、日常の生活で健康管理に費やせる時間や費用は、それほど多くないの大多数に方でしょう。それでも、検診はしっかり受けておいてほしいと思います。検診によって早期発見に成功すれば、それによって助かる確率は高まります。
肺がんがどの程度進行しているかを表すステージ(病期)は、早期のものほど生存率が高い傾向にあります。死亡数と罹患数に大きな差がないところからも、死亡率の高さがうかがえるのですが、早期の段階であれば完治は可能です。中には、手術を行うことさえなく、レーザー治療(内視鏡治療)で体に大きな負担をかけずに治癒させることができるケースさえあります。
喫煙の習慣は、大きなリスク要因となっています。そのため、タバコを吸う方は、非喫煙者の方と比べて念入りに対策を講じておくことが欠かせません。手遅れになってからでは、どうしようもないのです。検診だけでも受けておきましょう。
末期になってしまうと、もはや治療を行っても完治させることはできず、余命と向き合うことになります。余命わずかになった状態で、唐突に医師から告知されるのは精神的にも大きなダメージとなります。
基本的な治療法には、手術やレーザー治療、放射線療法、化学療法があります。それぞれに適用できる範囲が異なり、組織型やステージによって標準治療が異なります。また、それぞれを単独で用いるだけではなく、組み合わせて使う集学的治療が行われています。
すい臓がんほどではないとは言え、肺がんも難治がんに分類されます。決して簡単に治る病気ではありません。タバコの害については様々な場面で主張されていますが、やはり大きな原因になっていますので、気をつける必要があります。予防のためには、何より禁煙が有効です。
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肺がん治療にはリスクもある
すでに全身状態が悪く、余命わずかと見られるような一部のケースを除けば、何らかの治療を行うことになります。それによって完治させることができる場合もあれば、治ることはないまでも余命を延ばすことができたり、症状を和らげたりすることになります。
しかし、治療には効果のほかに、マイナスの側面もあります。たとえば、抗がん剤や放射線療法による副作用や、手術に伴う合併症や後遺症です。こうしたリスクにも目を向けておく必要があります。
まったくリスクを伴わずに肺がんを治療できるわけではありませんので、程度の差はあるにしても、何らかの副作用などのリスクがあると考えておいた方がよいでしょう。治療法を選択する際には、そうした点についても十分な説明を受け、納得しておくようにしてください。
副作用なんて知っていても怖くなるだけと思う方もいるかもしれませんが、いずれ自分の体に起こる出来事ですので、把握しておかないと心の準備をすることもできません。治療方針は専門医が一方的に決めるものではなく、患者さんの同意があって成り立つものです。大切な未来に関わることですので、不明点があれば質問して答えを出しておきましょう。
肺がんは喫煙者だけの病気か
たばこを吸うことによって、肺がんのリスクは大きく上がります。喫煙は大きな原因になっており、予防策の筆頭として禁煙が挙げられるほど、密接な結びつきがあるのです。
では、たばこを吸わない人にとっては無関係な病気なのでしょうか?答えはNOです。たしかに、喫煙者に比べるとリスクが軽減されて入るのですが、昔から一貫してたばこを吸わない人であっても、肺がんになることはあります。したがって、定期健診や症状がある場合に診断を受けておくことは、たとえ非喫煙者であっても重要なのです。
もう一つ気をつけてほしいのは、たとえ自分ではたばこを吸わない人であっても、たばこの害を受けている可能性がある点です。周囲でたばこを吸っていることによって、その煙にさらされてしまう、いわゆる受動喫煙の影響は小さなものではありません。ある研究では、夫に喫煙習慣があると、妻の肺がんのリスクが倍増するとされています。
受動喫煙は注意すれば必ず避けられるものではありませんが、ある程度は減らせるでしょう。世の中は分煙の傾向にありますので、以前と比べれば公共の場所で煙を吸い込まなくてはならないことが減りました。自分の意思を伴わないのにたばこの害を受けてしまうのは不本意ですので、気をつけてください。